専門家に聞く「22卒は今、何をすべき?」【座談会シリーズ最終回】
こんにちは!コロナウイルスの影響で、近年まれにみる不況を経験している日本。
これから就活を始める大学生2年生、3年生は、いろいろな悩みを抱えていますよね。
今回は、そんな22卒の大学生3人が、法政大学 キャリアデザイン学部教授の田中研之輔先生と座談会を開きました。
「面接ではなにをアピールすればいいの?」「面接やエントリーシートの対策はいつから?」「おすすめの本は?」など、22卒が知りたい情報が盛りだくさんなので、ぜひ見てみてください。

UC. Berkeley元客員研究員 University of Melbourne
元客員研究員 日本学術振興会特別研究員SPD 東京大学 博士:社会学。一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了。 専門はキャリア論、組織論。<経営と社会>に関する組織エスノグラフィーに取り組んでいる。著書25冊。『辞める研修 辞めない研修–新人育成の組織エスノグラフィー』『先生は教えてくれない就活のトリセツ』『ルポ不法移民』『丼家の経営』『都市に刻む軌跡』『走らないトヨタ』、訳書に『ボディ&ソウル』『ストリートのコード』など。ソフトバンクアカデミア外部一期生。専門社会調査士。社外取締役・社外顧問を18社歴任。新刊『プロティアン―70歳まで第一線で働き続ける最強のキャリア資本論』。最新刊に『ビジトレ−今日から始めるミドルシニアのキャリア開発』



▼22卒の座談会メンバー
東京農業大学3年 正木佑磨
上智大学3年 須賀田香帆
東京農業大学3年 大森泰河
就活解禁まであと1年。今、何をすればいいの?
正木:22卒の就活解禁まであと1年。サマーインターンなどの応募も始まっています。
今、できることが限られていますが、何をすべきなのでしょうか。
田中教授:焦る必要は全くない。やるべきことはふたつ。まずは自分で情報収集から始めることだね。
いま、SNSで生の声を発信してる人がたくさんいるよね。人事担当者がツイッターをしていたり、キャリアの専門家が発信していたり。
そういうところから情報収集を始めるのがよいと思う。
そして、コンタクトをとってみてほしい。わからないことを聞いたら、意外と時間を取ってくれるよ。
※Twitterで就活の情報収集をする方法はこちらをチェック
私のほうでも、「TANAKEN TV」 というYouTubeをやっていて、そこで人事担当者に「22卒はなにをすればいい?」ということを聞いたりしているから、ぜひ見てみてほしい。いま、こういうコンテンツが増えてきている。
本を読むことはもちろんだけど、このような情報に積極的にアプローチして、情報に触れてほしい。
二つ目は、「経験のアーカイブ化・見える化」をすること。
いま、みんなは時間があると思うから、あと1年で武器になる何か、夢中になれる何かを探して、取り組んでみること。そして、得たものを「アウトプット」していくということ。
3人は、何が強みなの?いままで、時間とコストを掛けてきたことは?
須賀田:私は、長期インターンですね。1年ちょっと続けていて、楽しく仕事しています
大森:僕は、「なんでも挑戦する」ことが大好きです。大阪までヒッチハイクしたり、友達と100km歩いたり・・・(笑)これでもいいんでしょうか。
田中教授:全然いいよ。ストーリーにできるじゃん。ヒッチハイクしたときの体験って、何かに書き留めてる?
大森:いや・・・。書き留めてないですね。
田中教授:じゃあそれをやろう。
今、大事なのは、「挑戦した経験」を積むことと、それを「アウトプットする」ということ。例えば、ヒッチハイクや長期インターンの経験で自分が学んだことや起こったことをnoteに書き溜めておく。考えたこと、感想、価値観の変化などなんでもいいよ。とにかく吐き出すことが大事。
「アウトプット」することで、自分への理解が進み、勝手に自己分析が進む。さらに、
面接の時は、そのURLを送ってアピールできるよね。学生時代、「こんな経験しました」って。面接本番で話せることは、時間の都合上限られているから、これができるだけで他の学生と大きく差がつく。
正木:なるほど、アウトプットすることで、自分の中でも整理できるんですね。でも、発信が苦手な場合、どうすればいいのでしょうか?noteとか、少し勇気がいるのですが・・・
田中教授:発信が苦手なら、「非公開」の設定にしておいても構わないと思うよ。
ただ、できれば積極的に発信して、フォロワーを増やしておくといい。
なぜなら、個人の「影響力」が重視される時代になってきているから。インフルエンサーなども、その例だよね。
発信がしっかりできていて、しかもそれをフォロワーという形で表せると、説得力が増すよね。
それをしている学生は、とても少ないから、やっておくだけで差別化になると思うよ。
須賀田:エントリーシート(ES)の練習や、グループディスカッションの対策なども、早めにやっておいたほうがいいのでしょうか?
田中教授:早いに越したことはないけど、いまはそれよりも、「個人の武器」を磨くことのほうが重要。何かに打ち込んでいるのだったら、それを頑張るのもよし。
これからなにかにチャレンジしてみるのもよし。
企業は「エントリーシートを上手く書ける学生」が欲しいわけではなく、平等に流れる時間を「自分で考えて有意義に使える学生」を欲しいと思ってる。
まずは、自分に与えられた時間で何をするべきか考え、その経験を武器にすることを集中して頑張るべきだと思うよ。
その土台ができてれば、魅力的なエントリーシートを書くことは簡単。
面接の練習やエントリーシートの書き方は、就活が始まる前に進めれば大丈夫。
まとめ ・Twitterなどを用いて、生の情報を収集 ・何かに打ち込む&それを発信してアウトプットすることが大事 ・エントリーシートや面接練習よりも、武器になるような経験を積むべし。 |
大森:就活を何から始めたらいいのかわからないのですが、おすすめの本はありますか?
田中教授:『プロティアン 70歳まで第一線で働き続ける最強のキャリア資本術』と『就活のトリセツ』という本がおすすめ。
『プロティアン』では、年功序列が当たり前ではなくなった現代において、「キャリアを自分でデザインしていくこと」の方法が載ってる。
もともとは、今の稼ぎでは不十分だな、将来が不安だな と感じている社会人向けに書いた本なんだけど、ぜひ、就活生にも読んでほしい。
組織に所属していれば勝手にキャリアアップできる時代から、転職を経て個人で経験を積む必要になるみんなにのために、ヒントになる本だと思う。
そして、『就活のトリセツ』では、エントリーシート、インターン、グループワーク、個人面接などのハードルを乗り越えるための方法が載ってる。また、就活全体の流れも分かるようになってる。
薄い本で、すらすら読めるので時間がない就活生にもおすすめできるよ。
1社目の選び方や、将来像を描くために、『プロティアン』 を読んで、選考対策には、『就活のトリセツ』をぜひ読んでみてください。
▼キャリアのヒントに『プロティアン 70歳まで第一線で働き続ける最強のキャリア資本術』
▼就活の進め方はまずこれを!『先生は教えてくれない就活のトリセツ』
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